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【鎌倉まつり】静の舞 演者インタビュー


 

第66回鎌倉まつり「静の舞」の演者である泉流・泉徳多佳(本名: 川村嘉江)さんに、見どころや思いを伺いました。

 

第66回鎌倉まつり「静の舞」
  • 日 時:2024年4月14日(日)15時00分~
        ※演目解説は14時30分~
  • 場 所:鶴岡八幡宮 舞殿

>>あらすじについてはこちら
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泉徳多佳プロフィール画像

 


泉流師範・(公社)日本舞踊協会会員
泉 徳多佳(いずみ とくたか)


幼少より泉流にて日本舞踊を学ぶ。祖母 泉徳多賀に師事、その後、初代 泉徳右衛門夫人 泉摩津英、二代目 泉徳右衛門に師事。

  • 5歳の時に鎌倉中央公民館にて長唄「羽根の禿」で初舞台
  • 平成5年 泉流名取
  • 平成9年 国立大劇場にて長唄「藤娘」で名披露目
  • 平成13年 泉流師範

ほか、数々の舞台に出演

 

 

Q1.経歴を教えてください。

祖母が日本舞踊の師匠を、母も日本舞踊をしていた影響で、もの心ついた頃には私もお扇子を持って踊っていました。

5歳の時に長唄「羽根の禿」で初舞台、泉流の名取を許され泉徳多佳となりました時には、国立劇場大劇場で長唄「藤娘」で名披露目をいたしました。

現在は、2代目泉徳右衛門に師事し、数々の舞台を経験しながら精進を重ねております。

 

Q2.「静の舞」の見どころを教えてください。

「静の舞」は静御前が、頼朝と北条政子夫妻の所望により鶴岡八幡宮の社前で白拍子舞を披露したという伝承に基づいています。

史料である「吾妻鏡」によれば、源義経の籠愛を受けた静御前は、雪の吉野山で義経との哀しい別れを経験した後、文治2年(1186年)3月に頼朝に捕らえられ、鎌倉に送られました。そして同年4月鶴岡八幡宮で、頼朝の命に従い白拍子舞(※)を披露します。

舞の中で静御前は「吉野山 峰の白雪 ふみわけて 入りにし人の 跡ぞ恋しき」、「しづやしづ 賤(しず)の苧環(おだまき) くり返し 昔を今に なすよしもがな」と、義経を慕う歌を吟じ、頼朝の強い怒りを買いますが、北条政子が「私が静御前の立場なら、同じように踊るでしょう」と取りなして事なきを得ました。

「吉野山 峰の白雪~」から続く「しづやしづ~」は静の想いが伝わる印象的な部分で、広く知られた歌となっています。「静の舞」は、自らの運命に立ち向かいながらも、悲しみを秘め、凛とした覚悟で舞う静御前の姿が描かれています。また、捕らわれた身でありながら悲しみを隠して命をかけて凛と舞う静御前の覚悟が表現されています。
 

※白拍子舞は、平安末期から鎌倉時代にかけて流行した舞であり、もともと神に捧げる性格のものでした。白拍子の舞姿は、水干と立烏帽子を身につけ、白鞘巻の太刀を佩く男装が特徴となっています。

 

Q3.「静の舞」の演者に決まった感想を教えてください。

鎌倉という土地で生まれ、その風土の中で育まれた私にとって、鎌倉まつりの中で「静の舞」を奉納させていただくことは言葉に尽くし難い特別な思いです。

お宮参りから始まり、七五三など人生の節目はもちろん、お正月や四季折々に訪れる鶴岡八幡宮は、私にとって格別に尊い存在です。一の鳥居そばの第一小学校から鎌倉女学院に進学した経緯もあり、鶴岡八幡宮の参道である若宮大路は通学路であり、私は八幡様の元で日々を過ごし、学びました。鶴岡八幡宮の神様に守られているような安心感を常に感じています。鶴岡八幡宮の神様のもと、静の舞を奉納させていただけることは、この上ない光栄です。

奉納の場で、感謝の念を胸に、いにしえに思いをはせながら、精一杯務めさせていただきます。また、この尊いご縁を繋げてくださった師匠をはじめとする関係者の皆様に、心からの感謝を伝えたいと思います。

 

Q4.鎌倉の好きな場所を教えてください。

山と海に抱かれた緑豊かな自然と歴史の息づく街、鎌倉。
名所旧跡も含め、好きな場所は数えきれませんが、私の心を魅了し清々しさに包まれる場所として、国道134号線で逗子方面から鎌倉に入る場所が大のお気に入りです。

飯島トンネルを抜けた直後、突如として広がる蒼き海と眼下に広がる相模湾は、爽快感に満ちており、自由と広がりを感じさせてくれます。通るたびに、鎌倉の海はやはり一番イイと思わされる場所(景色?)です。

 

Q6.他に演目(「静の舞」以外)が観覧できる場所はありますか。

日本舞踊は、日本のさまざまな場所で楽しむことができます。
一般的には、日本舞踊の各流派の公演や、日本舞踊協会主催の公演、歌舞伎役者による歌舞伎座での公演、日本舞踊教室の発表会、地域でのイベントなどで観ることができます。鎌倉芸能連盟の公演も秋に開催されますので、興味のある方はぜひ足を運んでください。各流派や日本舞踊協会のウェブサイトをご覧いただくと、公演情報が掲載されています。

令和5年度には、日本舞踊が重要無形文化財として指定されました。日本舞踊は、大地の自然や殿上人から市井の人々の生活まで神羅万象あらゆる生あるものを題材に、「踊り」を通して、日本人の豊かな心を、美しくしなやかに時に荒々しく表現します。伴奏の三味線や鼓、笛、太鼓、箏などの和楽器の音色や唄も、楽しみの一つです。

 

 

 

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