しんれいきょうかまくられんせいじょう
(きゅうやまもとじょうたろうてい)
【日本遺産056】
国登録有形文化財(建造物)
長谷の桑ヶ谷に、1918(大正7)年
実業家で後に衆議院議員や南満州鉄道総裁となる
山本条太郎の別荘として建てられました。
庭など周辺の環境も含めて当時のまま残っており
鎌倉でも数少ない、関東大震災以前に建てられた
貴重な建物の一つです。
敷地面積5,000坪。
数寄屋造り(※1)の母屋と茶室、
そして100種類の草木と
1,000本もの樹木が植えられた
庭があります。
また、標高40mの高台に立地しており
由比ガ浜が一望できます。
建物は京都から取り寄せた資材を使い
京都の大工によって建築されました。
玄関の梁の細さ、窓の格子の作り、
厠(※2)の天井の作り、
丸みを帯びたむくり屋根などが特徴的で
廊下の天井を低くして
広間を広く見せる工夫もみられます。
山本条太郎の死後、1956(昭和31)年に
九鬼健一郎に譲渡されましたが、
1981(昭和56)年、料亭等に利用するのでなく
建物の文化的価値を理解し
現状維持・保存することを条件に
神霊教が取得しました。
現在、「鎌倉錬成場 霊源閣」と名付けられ
集会や茶会などに利用されています。
※1 装飾を排した簡潔さを特徴とする茶室風の様式を取り入れた建築
※2 トイレ