いしかわてい
(きゅうさとみとんてい)
【日本遺産044】
鎌倉市景観重要建築物等
雑誌「白樺」の創刊に
兄の有島武郎、有島生馬とともに
同人として参加し
後に鎌倉文士の中心的存在となった
作家・里見弴が、1926(大正15)年、
自ら設計に関わり住んだ家です。
建築は和洋折衷。
洋館部分は
建築家フランク・ロイド・ライト風の設計で
玄関ポーチやバルコニーが
当時としては非常に斬新でした。
渡り廊下でつながった別棟は
志賀直哉邸を建てた
京都の大工を呼び寄せて増築した
茅葺き屋根の茶室仕立の日本建築で
書斎として建てられました。
1936(昭和11)年に里見弴が転居した後
使用者は数度変わり
一時期ホテルとして用いられたこともありますが
現所有者、石川氏の住宅として丁寧に住まわれ
1994(平成6)年からは
鎌倉市景観重要建築物等に指定されています。
80年の歳月を超えてなお色褪せない魅力と
風格を放つ貴重な建物です。