かくおんじ
【日本遺産016】
開基/北条貞時 開山/智海心慧
1218(建保6)年、第2代執権北条義時が
十二神将の戌神将のお告げを受けて建立した
大倉薬師堂を前身とする寺院です。
1296(永仁4)年、第9代執権北条貞時が
元寇(※1)を退けることを祈って寺に改め、
心慧上人を開山として覚園寺を創建しました。
当初は真言・天台・禅・浄土の
四宗兼学の寺で、
鎌倉幕府の保護を受け、
北条氏滅亡後は
後醍醐天皇の勅願所(※2)として、
また、建武の中興後は
足利氏の庇護を受けて繁栄しました。
本尊は薬師如来坐像で鎌倉時代の様式です。
その両脇に
日光菩薩坐像・月光菩薩坐像が安置され、
左右には十二神将立像がまつられています。
すべて国の重要文化財となっています。
十二神将は薬師如来およびその信者を守護する
12体の武神で、
子・丑・寅など十二支の象徴が
頭上に飾られています。
境内奥から背後の山稜頂部(標高約150m)まで
連続する地形は、
鎌倉の寺院の中でも最も幽玄かつ
静寂な宗教空間といえます。
百八やぐら群が存在する山稜部も含め、
1967(昭和42)年に
境内全域が史跡に指定されました。
毎年8月10日は黒地蔵(※3)の縁日として
施餓鬼会(※4)が行われます。
10日未明からどなたでもお参りできるため
「くらやみ参り」とも呼ばれ、
黒地蔵がまつられている地蔵堂で、
お盆の前に亡くなられた方々の冥福と
現在生きている我々の健勝を祈願できます。
お堂奥に錫杖と宝珠を持って立つ黒地蔵は、
地獄に堕ちた罪人の苦しみを
少しでも和らげようと、
地獄の役人に代わって
火を焚いたといわれます。
そのために黒くすすけていて、
いくら彩色しても一夜のうちに
黒くなってしまうといいます。
※1 鎌倉時代に元軍が日本に来襲した事件
※2 勅命により国家鎮護などを祈願した社寺
※3 重要文化財木造地蔵菩薩立像
※4 飢餓に苦しんで災いをなす鬼衆や無縁の亡者の霊にも飲食を施す法会
【鷲峰山 真言院 覚園寺】
国指定史跡
国指定重要文化財(建造物)
神奈川県指定重要文化財(建造物)
神奈川県指定史跡
鎌倉市指定天然記念物
鎌倉二十四地蔵第3番