ほうこくじ
【日本遺産023】
開基/足利家時 開山/天岸慧広
報国寺は境内の孟宗竹の林が有名で、
「竹庭の寺」と呼ばれています。
報国寺は、足利尊氏の祖父家時が
高僧天岸慧広(※1)を開山として
1334(建武元)年に創建したと伝えられます。
家時は1284(弘安7)年に亡くなっているため
宅間谷に住んだ上杉重兼による開創
ともいわれます。
開山の天岸慧広は
無学祖元や高峯顕日に学んだ後に入元して
古林清茂の門下になりました。
帰朝後の建武元年、
重兼に招かれて報国寺に入りました。
本尊は釈迦如来坐像で、
有名な仏師宅間法眼の作といわれます。
同じく、宅間法眼の手になる
迦葉像(※2)もありましたが、
残念なことに、明治時代の火災で
焼失してしまいました。
迦葉像は「宅間の迦葉」と呼ばれる名作で、
そのため報国寺が「宅間寺」とか「迦葉寺」と
呼ばれていた時期もあったといいます。
今も報国寺があるところを
「宅間谷」といいますが、
これは宅間法眼の屋敷があったことに
由来しています。
明治の火災では
かなりの寺宝が失われましたが、
それでも天岸慧広が中国から帰る途中作った
詩を集めた『東帰集(国重文)』や
「天岸」「慧広」という
木印、古文書、仏像、仏画等は火災から免れ
鎌倉の禅宗文化を語る貴重な資料として
鎌倉国宝館に寄託されています。
なお、現在、迦葉堂に安置されている
迦葉尊者立像は、1978(昭和53)年に
迦葉堂を建てるときに製作されたものです。
※1 てんがんえこう:仏乗禅師
※2 かしょうぞう:迦葉は釈迦の弟子
【功臣山 報國建忠禅寺】
鎌倉三十三観音第10番
国指定文化財(書籍、古文書)
神奈川県指定文化財(絵画)
鎌倉市指定文化財(彫刻、工芸、古文書)
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《主な年間行事》
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