はせでら
【日本遺産030】
開基/藤原房前 開山/徳道
鎌倉では杉本寺に次いで古い寺とされ
736(天平8)年に創建した
と伝えられている長谷寺。
もともとは新長谷寺といい、
奈良の長谷寺を本とし
創建年も奈良の長谷寺にならった
といわれます。
実際の創建年次は不詳ですが、現存資料中に
1264(文永元)年の梵鐘銘があることから
13世紀には創立されていたことがわかります。
本尊の十一面観音菩薩立像は
奈良の長谷寺の像と
同じクスノキから彫られたといわれ
一木二体(※1)の像と伝えられます。
高さ9.18mある像高は
木造の仏像では日本最大級です。
坂東三十三ヶ所観音霊場の第四番札所として
江戸期以来参詣者が多く
特に観音さまの縁日である毎月18日には
賑わいをみせます。
また、12月18日に開かれる「歳の市」では
今も参道にだるまや熊手、神棚など
正月を迎えるための縁起物をあつかう露店が
軒を連ねます。
この日は年に一度、観音さまの足に直接触れる
「御足参り祈願」も行われます。
本尊以外にも長谷寺には
多くの宝物が伝わっています。
御前立の十一面観音菩薩立像は
右手に錫杖を持つ長谷寺特有の形式で、
かつては本尊の大観音の前に立っていました。
三十三応現身像は観音菩薩の
33の変化の姿すべてが揃った群像です。
懸仏は神の依代(※2)を表す鏡に
仏像が取り付けられたもので、
かつては神仏がいっしょに
まつられていたことの象徴です。
先の梵鐘は、円覚寺や建長寺の鐘とならぶ
歴史ある鐘です。
これらは、寺に併設された
観音ミュージアムで見ることができます。
また、季節の花や仏像など見どころの多い寺で、
アジサイや紅葉の時期も大人気で
毎年の観光客で賑わうほか、
鎌倉のまちと海が一望のもとに見渡せる
見晴台からの眺めもまた格別です。
※1 1本の木から2体の仏像を造ること
※2 神霊が招き寄せられて乗り移るもの
【海光山慈照院長谷寺】
梵鐘(国重要文化財)
懸仏(国重要文化財)
長谷寺<外部リンク>(googleマップを開く<外部リンク>)
観音ミュージアム<外部リンク>
《主な年間行事》
・万灯祈願会
・初観音
・節分会(追儺会)
・春季彼岸会
・灌仏会(花まつり)
・弁財天縁日
・かまくら長谷の市(春季/秋季)
・阿弥陀会
・稲荷祭
・観音大施餓鬼会
・四萬六阡日大功徳日
・秋季彼岸会
・大黒天縁日
・写経清浄会
・紅葉ライトアップ
・観音御足参り
・歳の市
・奉納餅つき会
・除夜会