すんしょうどう
【日本遺産047】
国登録有形文化財、鎌倉市景観重要建築物等
白日堂とならぶ鎌倉彫の老舗で、
1936(昭和11)年に彫師・佐藤宗岳の
店舗兼住宅として、
市内の大工西井喜一・正二親子によって
建てられました。
特徴的なのは、
3階建ての塔に代表される特異な外観です。
この塔は頂部に相輪(※1)を戴き、
繁垂木(※2)、花肘木(※3)、蟇股(※4)
といった寺院建築の要素が見られますが、
窓は城郭建築に見られる武者窓(※5)です。
1階店舗部分のガラス戸や
ショーウインドーなどに
近代洋風建築技術が見られますが、
全体としては寺院建築と城郭建築が
町屋と合体したような建物となっており、
建築当初から地域のランドマークとして
重要な役割を果たしてきました。
工房を備えた店舗兼住宅において営まれている
鎌倉彫の製作・販売は、
特徴的な建物と調和することによって、
鎌倉彫の歴史と伝統を今に伝えています。
店内には茶托や鏡類、銘々皿、盆、菓子器など
様々な作品が取り揃えられています。
【寸松堂(すんしょうどう)】
鎌倉市指定景観重要建築物国登録有形文化財
日本遺産構成文化財
※1 相輪:仏塔の最上部に取付けられる金具
※2 繁垂木:垂木を密に並べるもの
※3 花肘木:装飾的な彫刻を施した荷重を支える横木
※4 蟇股:下方が開いて蛙の股のような形をしている荷重を支える部材
※5 武者窓:武家屋敷の表長屋の表側に設けた太い縦格子のある窓