ずいせんじ
【日本遺産025】
開基/二階堂道蘊
開山/夢窓疎石
中興開基/足利基氏
足利基氏がここに葬られてから
代々の鎌倉公方(※1)の菩提寺となり、
関東十刹に名を連ねる
高い格式を誇った禅宗寺院です。
はじめは瑞泉院と称し、
鎌倉幕府滅亡後も足利氏が厚く保護しました。
1327(嘉暦2)年に、
禅院相応の勝地を選び
夢窓疎石[夢窓国師]が創建しました。
夢窓疎石は
後醍醐天皇や足利尊氏が敬った高僧です。
瑞泉寺のある谷は紅葉ヶ谷といって
三方に山を巡らし、清流は苔青く、
別天地に入った感じがします。
山号の錦屏山は、四季の景色が
屏風の絵を見るように美しいところから、
名づけられたといわれます。
夢窓疎石が岩盤を削って築いた
といわれる岩の庭園は、
禅の思想と庭が融合したもので、
書院庭園のもととなり、
国の名勝に指定されています。
鎌倉時代末期から室町時代にかけて
禅宗寺院では「五山文学」と呼ばれる
漢詩文学が栄えましたが、
その鎌倉における拠点が瑞泉寺でした。
背後の山頂には偏界一覧亭が建ち、
鎌倉五山の僧たちが
しばしばここで詩会を催しました。
江戸時代の初めには、
徳川光圀[水戸黄門としても知られる]が
一覧亭を再建し、ここで
「新編鎌倉志」を編纂させたといいます。
開山堂(※2)に安置される
木造夢窓国師坐像は
南北朝時代の頂相(※3)彫刻の秀作として
国の重要文化財に指定されています。
また、瑞泉寺は「花の寺」として有名で
開山に供えるために丹精される四季の花は
訪れる人々を楽しませてくれます。
※1 鎌倉府の長官として関東を支配した足利氏の称
※2 開山の像をまつった堂
※3 禅宗の高僧の肖像
【錦屏山 瑞泉寺】
国指定史跡、国指定名勝
鎌倉三十三観音第6番
鎌倉二十四地蔵第7番
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