鎌倉彫御朱印、八幡宮に奉納へ~オール鎌倉で取り組み、想い結実
伝統鎌倉彫事業協同組合と印章店「鎌倉はんこ」(御成町)が共同で制作した鎌倉彫による御朱印10体が6月21日に鶴岡八幡宮に奉納されました。
鎌倉を代表する伝統工芸のひとつ鎌倉彫と、武家時代から証明文化「はんこ」との出逢いが、これまで例をみない鎌倉彫御朱印の誕生に結びつきました。職人が減少傾向にある鎌倉彫、”脱はんこ”の風潮による逆風に立ち向かう印章店。ともに新たな展開を追い求める中で、「鎌倉にしかない、鎌倉でしかできないもの」を模索してきました。
鎌倉はんこの店主、月野允裕さんは、構想を始めた3年前「本当にできるのか」と不安でいっぱいだったと振り返りますが、同組合との話し合い、検討、試作品開発などを経て、制作に入りました。2021年8月には鎌倉市商工業元気アップ事業にも認定され、事業を後押し。試行錯誤を繰り返し、世界に一つだけしかない鎌倉彫御朱印が完成しました。
御朱印は、鎌倉彫職人が印章の装飾部分を彫刻塗装、印章彫刻職人が印影部分の彫刻をそれぞれ担い、制作したもの。21日には、完成した御朱印の奉納式が開かれ、制作にあたった鎌倉彫の職人、関係者、鎌倉はんこの印章職人である月野夫妻らが参列し、ご祈祷を受けました。奉納式を終え、同組合の三月一彦理事長は「組合の皆さまがこの企画に賛同してくれて、新しい鎌倉彫の道が開けたと思います」と明るい笑顔を見せました。
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