かいぞうじ
扇ガ谷の最奥にある深い緑に囲まれた臨済宗建長寺派の寺。もと真言宗で、1153(建長5)年、宗尊親王の命により、藤原仲能が本願主となって七堂伽藍が再建されました。しかし、1333(元弘3)年の鎌倉幕府滅亡の際、兵火によって七堂伽藍が焼失したため、1394(応永元)年に第二代鎌倉公方足利氏満の命により、上杉氏定が禅宗寺院として再建しました。開山は謡曲『殺生石』で有名な心昭空外(源翁禅師)で、以後扇ガ谷上杉氏に外護されました。1791(寛政3)年の境内図によると、主な伽藍配置は現在とほぼ同じで、塔頭七ヵ院とともに描かれています。
仏殿(薬師堂)は1775(安永5)年に浄智寺から移したもので、薬師像の顔を胎内に納めた薬師如来像(別名啼薬師)や十二神将像等が祀られています。
門前には底脱ノ井(鎌倉十井)、境内南の巌窟には十六ノ井があります。また、四季を通じて花が咲き、鎌倉有数の「花の寺」としても知られています。春のカイドウ、夏のノウゼンカズラ、初秋のハギ、初春のウメはとくに見ごたえがあります。
また、本堂裏手には非公開ではありますが、よく手入れされた回遊式庭園もあります。
【臨済宗建長寺派 扇谷山 海蔵禅寺】
鎌倉三十三観音第26番
鎌倉二十四地蔵第15番
基本情報
見どころ
仏殿[薬師堂](薬師三尊、十二神将など)
やぐら
十六ノ井
清水基吉句碑
金子一峰句碑
底脱ノ井(海蔵寺の入口右手)
岩船地蔵堂(境外)
花の情報
[春]ユキヤナギ,カイドウ,ツツジ,
ヤマブキ,サツキ,シャクナゲ,
[夏]マツバギク,イワタバコ,フヨウ,
ハナショウブ,アジサイ,キキョウ,
ハンゲショウ,ノウゼンカズラ
[秋]ハギ,サザンカ,キンモクセイ,
シオン,紅葉
[冬]スイセン,ウメ,ツバキ,
サザンカ,センリョウ,マンリョウ,
フクジュソウ
その他
【御朱印】
・本尊(薬師如来)
・鎌倉十三仏霊場(薬師如来)
・鎌倉三十三観音霊場(十一面観世音)
・鎌倉二十四霊場(岩船地蔵尊)
・相模国二十一弘法大師霊場(弘法大師)
・東国花の寺(薬師如来)
*公衆トイレあり