鎌倉彫、その歴史と魅力
鎌倉彫の伝統工芸、鎌倉彫。彫の味わいと木の温もり、深みのある色調が特徴である。その起源は中世、仏師が中国から渡来した彫漆に倣って仏具を作ったことにあるとされる。鎌倉彫の原型と言われるものには、円覚寺蔵前机(鎌倉~室町期・重文)、建長寺蔵、須弥壇(鎌倉~室町期・重文)がある。
鎌倉彫の素材は桂やホオノキ、イチョウなど。素材を用途に合わせて形成したあと、表面に彫を施す。その上から漆を繰り返し塗り重ね、艶を出していく。色艶だけでなく、漆は堅牢さを増す効果を持つ。明治期、ある鎌倉彫宗家は百年間の保証券を付けたというエピソードもある。
鎌倉彫について詳しく知りたければ、鎌倉彫会館かまたは同資料館へ。時代別の名品を見たり、制作過程を知ることができる。
鎌倉彫会館外観
牡丹文香合(室町~桃山時代)