愛されて…江ノ電
鎌倉を語る風景に欠かせない江ノ電。明治35年(1902年)の開業以来、古都の風情にふさわしい「足」として人びとに親しまれている。
近年レトロ電車も登場した江ノ電は鎌倉散策の頼もしい味方。乗り降り自由の一日乗車券(のりおりくん一枚580円)を買って上手に活用してみよう。同時に、鎌倉の空気を満喫させてくれる車窓の風景も楽しみたい。
鎌倉駅を出発し、家並みの軒先をかすめながら進んでゆく。周囲の人びとにとり、線路は重要な生活道路でもある。極楽寺のトンネルを抜け稲村ガ崎駅を過ぎると、目の前にサーッと広がる青い海。その爽快感が堪らない。窓から七里ガ浜、江の島、富士山が見えたら、それは鎌倉を代表する風景との出合い。三位一体の景勝は浮世絵にもしばしば描かれている。
ちなみに、単線電車江ノ電の発車間隔は12分。長くもなく短くもないこの時間、地元では「江ノ電タイム」と呼ぶ人もいる。