マリンスポーツと鎌倉
湘南の海とりわけ稲村ガ崎、七里ガ浜はマリンスポーツのメッカだ。季節を問わず波を待つサーファー。真冬の海に多くのウェットスーツ姿が漂うのも、ここでは珍しくない光景である。
一説によれば、日本のサーフィン発祥の地は鎌倉ともいわれている。昭和初期、鎌倉の海遊びのひとつに、波乗り板「フロート」というものがあった。これは外国人が持ちこんだサーフボードが鎌倉の波には向かず、試行錯誤の末に地元の人びとが考案したものである。中を空洞にした木製のソリのようなもので、遠浅の海を滑ったという。
おそらく、未だサーフィンという言葉もなかったであろう頃の海遊び。「フロート」は、海が身近な町・鎌倉ならではの「遊び心」を伝えてくれる。